地理と歴史:アルシエル

地理と歴史:アルシエル

公式設定に基づくアルシエルの状況のまとめです。各地域の詳細は以下をご覧ください。
ソル・シエール メタ・ファルス ソル・クラスタ

基本的にはゲーム本編や小説版などで描写された事項や設定資料集などで解説された事項を扱います。
独自設定による事項は別ページを参照。

アルシエルの地理

地図

(謳う丘 Ar=Ciel Ar=Dor 付属ブックレットの4枚の地図を合成して説明を付記)
(謳う丘 Ar=Ciel Ar=Dor 特設サイトより 解像度を落として掲載)

概説

アルトネリコシリーズの舞台となる惑星は、名前を「アルシエル」という。

本来は地球と同様に海と陸地がある惑星であり、各地に国があり、それらが交流し、文明が栄えていた。
しかし、3040年に発生した「グラスノインフェリア」により、地表全体が厚い有毒ガスの層「死の雲海」に覆われてしまった。
(厳密には、グラスノインフェリア発生から死の雲海で完全に覆われるまでに約30年かかっている)

この結果、死の雲海に呑まれずに済んだのは、
グラスノインフェリア前に作られた3つの巨大な「塔」、そして一部の高山の山頂付近のみだった。
(後者の例:ソル・クラスタの大牙、メタ・ファルス周辺にあった「クレアリス雲島群」)

以降、3つの塔の周辺のみで、人類は細々と生きながらえていくことになる。
これらの塔の間の交流もほとんどなく、3つの地域はそれぞれ独自の発展を遂げていく。

アルトネリコ3本編の結果、3776?年に死の雲海が消滅。アルシエルは大地を取り戻した(惑星再生)。
(※年号のあとの?は「公式では年号が確定していない(のである程度の推測を含む)」ことを示す)

エクサピーコ宇宙論と惑星の意志

アルシエルが存在する宇宙は、「エクサピーコ」と呼ばれるものが放出した波動によって形成されている、とされている。
この意味で、この宇宙に存在する全てのものは「波」であると言える。

エクサピーコが発した波動はあちこちで干渉し、銀河・星団・恒星系・惑星……というふうにより下位のものを生んでいく。
人間と同様、これらにも「精神」や「意志」と呼べるものが存在する(人間と意思疎通ができるかどうかは別として)。
したがって、アルシエルにも「意思」が存在する。それを「惑星の意志」と呼ぶ。
(誤字ではなく、通例として「意志」と表記する)

過去、惑星の意志はしばしば人間の前に現れたという。
そしていつしか惑星の意志は、人間からは神と認識されるようになった。

天文と暦

アルシエルはソルと呼ばれる恒星の周りを回っている(ソルのことを指して単に「太陽」などと呼ぶことも多い)。
また、アルシエルにはヴィオラ月とチェロ月の2つの衛星がある。
これらの月は「アルシエルの自転の1.5倍のスピードで公転している」とされるので、公転周期はかなり短い
(仮に巡行なら、単純計算で16時間で1公転する この場合、見た目上の公転周期(=朔望月)は2日になる)。

アルシエルの1年は360日であり、12の月に(おそらく)30日ずつ割り振られている。
各月の名称は神々の名前からとられている。

1月那由他羅(なゆだら)
2月六冠(ろっかん)
3月蒼天帝(そうてんてい)
4月紅禰命(こうでいのみこと)
5月沙羅世命(さらのよめい)
6月泥路(でいじ)
7月零獅姫(れいしき)
8月咲夜琉命(さきやるめい)
9月堕天后(だてんこう)
10月蒼痲ノ宮(そうまのみや)
11月紗々ノ宮(さしゃのみや)
12月珠洲ノ宮(すずのみや)

1日より小さな単位については特に明言はないが、1日=24時間などと考えてよさそうではある。

3つの地域

アルシエルには「ソル・シエール」「メタ・ファルス」「ソル・クラスタ」の3つの地域が存在する。
(これらの他にも地域があった可能性はあるが、グラスノインフェリアを生き残ったのはこの3つに限られる)
それぞれの位置については冒頭の地図を参照。

これらのうち、ソル・シエールとソル・クラスタが(厳密に言えば、それぞれの宗主国が)いわゆる超大国としての立ち位置にあった。
もともとソル・クラスタの宗主国エル・デュエルが覇権を握っていたが、波動科学の力によってソル・シエールが台頭、両者が対立していく。

各地域の詳細は以下のページを参照のこと。
ソル・シエール メタ・ファルス ソル・クラスタ

民族と文化

アルシエルの人間は、ソル・シエールの「シエール系」、ソル・クラスタの「クラスタ系」の大きく二つの民族が存在する。

シエール系は地球で言う西洋系で、名前もアルファベットで書かれるようなものが多く命名される。
髪は茶髪のウェーブが多い。恵み豊かな土地を反映してか、素朴でおおらか、想いを大切にする気質。

クラスタ系は東洋系。命名は漢字で、男性は「凱(ガイ)」女性は「紗(シャ)」という文字を使うことが多い。
髪は黒髪の直毛で、長い方が好まれる。信心深く勤勉であり、先に文明が発展したのはソル・クラスタのほう。

少数民族のメタ・ファルス系はほぼメタ・ファルス地域のみに住んでいる。
金~茶色の髪で体格はやや大柄。厳しい環境で暮らしているためか、独特のスピリチュアル思想を持つ謙虚で潔癖な気質。

なお、現在ではいずれの地域でも混血が進んでいて個人差も大きい。
シエール系の外見にクラスタ系の命名だったりすることも珍しくはない。

人間以外では、「テル族」という種族がコミュニティを築いて生活している。
テル族はかつてはソル・クラスタの「シェスティネ」という場所に多く住んでいたが、
現在では、まとまった人口があるのは第一塔の「イム・フェーナ」に限られる。

なおレーヴァテイルについては、クラスタニアを除き、基本的に人間に混じって生活している。
ただし実際には、人間とレーヴァテイルで扱いが違うことも多い。

言語は、どの地域でも共通の「シェル言語」が使われている。
もともとは地域によって異なる言語が使われていたが、グラスノインフェリア前の時代にシェル言語が広く使われるようになった。

アルシエル略史

グラスノインフェリア前の文明

グラスノインフェリアよりも前、アルシエルには科学文明が発展していた。
科学技術のレベルとしては、分野にもよるが、現代地球と比較してさらに発達していたと思われる。
(例えばスマホやテレビなどに相当する情報通信端末「テレモ」はこの時代から存在するし、
コンピュータやAIについては現代地球より進んでいるように見える、彩音回廊(≒テラフォーミング)まである)

アルシエルに特徴的なのは「波動科学」と呼ばれる分野であり、塔やレーヴァテイルもこの技術に属する。
唄石しょうせきという鉱物が「H波(想いの波動)をD波(≒エネルギー)に変換できる」ことが発見されたことに端を発するこの新しい分野は、
主にソル・シエールにおいて大きく発展し、塔やレーヴァテイルが開発されていく。

一方で、この技術の軍事転用を巡ってソル・シエールとソル・クラスタが激しく対立するようになり、やがて戦争が発生。
塔の力はアルシエルに致命的なダメージを与え、最終的に地表を人の住めない場所にしてしまうことになる。

ソル・シエールの台頭

2912年、ソル・シエールにおいて、前述の唄石の性質が発見された。
ソル・シエールはこの唄石の力を、いわば”想力発電”として実用化しようと技術開発を進め、
2932年に実証施設「原初の塔」の建設を開始、2968年に完成する。

この原初の塔は実際にエネルギー供給のために使われたが、同時に、軍事利用の研究もなされた。
それが「遠距離層波」と呼ばれる戦略兵器(おそらくエネルギービームのようなもの)だった。
この遠距離層波の試験をきっかけに、ソル・シエールとソル・クラスタの関係が悪化していく。

原初の塔での成功を踏まえ、2983年、第一増幅塔「アルトネリコ」の建設が始まる。テル族の力も借りつつ、3013年に完成。
この途中の3000年には、塔周辺の陸地を剥がして浮遊させる「新大陸ホルス」計画が実行され、アルトネリコの力を世界に見せつけた。
しかしこれによりソル・シエールは”非人道的国家”とまで呼ばれるようになった。

その後もソル・シエールは、塔のリソースの供与と引き換えにする形で味方する国家を増やし、超大国としての地歩を固めていく。

七つの血痕事件とAHPP

3028年にソル・シエールとソル・クラスタの全面戦争である「ソル・クラスタ極西戦線」が発生。
戦争はソル・クラスタ優位に進んでいた(当時はまだレーヴァテイル完成より前であり、塔の力は弾力的には使えなかった)。

窮地に追い込まれたソル・シエールは、3031年、遠距離層波をアルシエル越しにソル・クラスタに撃ちこんだ……が、これによって想定外の大破壊が発生。
大量のマグマが噴き出し、ソル・クラスタ地域の4つの国が消滅するほどの事態となる。
これを、マグマが噴き出した跡を血痕に見立てて「七つの血痕事件」という。

七つの血痕事件によってソル・クラスタは瓦解しソル・シエールが戦争に勝利したが、
一方で、アルシエルには異常気象や地震を始め、それまでは考えられなかったような異常事態が多発するようになった。

この事態の原因を「遠距離層波によってアルシエルの”コア”が損傷したため」と考えたソル・シエールは、
そのコアを修復しようと、AHPP=アルシエル・ヒーリング・プラネット・プロジェクトを開始する。

レーヴァテイルの誕生

もともとレーヴァテイルは、2940年に始まった「レーヴァテイル計画」=波動科学による人工生命体計画による人工生命の名前であり、
塔とは全く別個のプロジェクトだった。しかしこちらのプロジェクトは暗礁に乗り上げ、長期間にわたって進展が見られなかった。

前述の通り、3013年にアルトネリコが完成したものの、こちらはこちらで別の問題を抱えていた。
巨大化・複雑化したシステムがもはや人間には手に負えないものになっていたこと、
そして、戦略兵器の遠距離層波よりも使いやすい、塔の力を使った戦術兵器が欲しいという要求だった。

これらの問題がきっかけになって、レーヴァテイルはアルトネリコをベースとして開発するように転換がなされた。
その結果、開発は一転して急ピッチで進むようになり、3031年には最初のレーヴァテイル・オリジン「エオリア」が誕生。
さらに3033年には早くも最初のレーヴァテイルβ純血種が誕生し、3037年にはβ純血種の量産が始まっている。

グラスノインフェリア

ソル・クラスタ極西戦線に敗れて覇権を失ったエル・デュエルは、その後もアルトネリコに対して破壊工作を続けていた。
やがてエル・デュエルはテル族と手を結ぶようになる。

テル族は人間には未解明の力を持つ種族で、アルトネリコの建設にも関わっていた。
しかし、平和利用のために協力したはずのアルトネリコが軍事利用され、それによって起きた七つの血痕事件で
テル族が多く住んでいた国家「シェスティネ」が消滅してしまう。
こうしてテル族もアルトネリコを危険なものとみなすようになっていた。

3040年、テル族の工作員がアルトネリコに侵入し、導力ラインを破壊する。
この結果、アルトネリコは暴走。溢れたエネルギーが地表を破壊し、「死の雲海」が形成される。
死の雲海は30年ほどかけて地表を覆い、ついにアルシエル地表は人の住めない地になった。

死の雲海とブラストライン

前述の通り、グラスノインフェリアをきっかけにアルシエルは死の雲海に覆われた。
同時に、空には「ブラストライン」と呼ばれるプラズマの層が出現し、人の宇宙空間への進出や利用も制限されるようになった。

死の雲海は、(見た目上は)グラスノインフェリアで破壊された大地の粉塵ではあるが、
それが700年以上にわたって存在し続けたこと、調査用に送り込んだものがまるで溶けたかのようになくなってしまうことなど、
ただの粉塵とは明らかに異なった性質を持っている。
このため、死の雲海の下がどうなっているのかといったことを知ることはできなかった。

ブラストラインは、第一塔のグラスノ盤が破壊されてエネルギーが漏れることで生成されている。
抗体によってエネルギーを回収されるなどしてブラストラインの範囲は徐々に狭くなっていて、ゲーム本編の時代には第一塔周辺にしか残っていない。

グラスノインフェリア後の3地域の関係

グラスノインフェリア以前には国際社会を築いていたものの、グラスノインフェリア以降は3地域間の交流はほぼ断絶してしまい、
やがて人々は他地域のことを忘れてしまうまでになる。

飛空艇は当時からあったものの、死の雲海の上を飛行することはかなりの危険を伴うようで、
地域間の飛行はいくつか試みられたが、いずれも失敗に終わったり、あるいは到達しても帰れないということになった。
(例えばソル・シエールのホルス右翼陥落時には多くの難民がメタ・ファルスにたどり着いたが、
その後一部でもソル・シエールに戻ったという記述はない)

通信についても、詳細は不明だが、いずれかの時点で途絶してしまったようだ。
ただし塔同士をつなぐ僅かな通信回線は残されていて、ミュールなどごく限られた人のみそれを利用できたようだ。

いずれにせよ、グラスノインフェリア後、3つの地域はそれぞれ独自の歴史を歩み始める。

惑星再生とその後のアルシエル

前述のAHPPは結局さまざまな事情により中止されてしまったが、それから700年以上経った3776?年、
かつてのAHPPの遺産を使い、アルシエルの正常化に成功する(アルトネリコ3本編)。
こうして死の雲海は消え、再び地表と海が姿を現した。

惑星再生直後の地表は、地震が頻発するなどでまだ人が住むには適さない環境で、人の地表への進出は遅かった。
この状況は5年ほどで落ち着いてくるが、ちょうど同時期に第三塔が消滅。ソル・クラスタでは地表への移住を強いられるようになる。

補足:一般の人々の認識について

以上解説してきた略史だが、実際のところ、ほとんどの人はこの歴史的経緯を知らずにいるようだ。
この具体的な理由については不明だが、どの地域でも多かれ少なかれ大きな断絶が存在すること、
また場所によってはあえて歴史を教えないほうが為政者にとって都合が良かったためだと思われる。

一方で、かつて陸地や海があったこと自体は、古くからの文献などを通じて広く知られている。